パネルディスカッション
「新販売制度のすすめ」ーよりよいトリアージを考えるー
テーマ説明
新販売制度実施から今年で2年目を迎え、さまざまな課題も見えてきた中、とくに重要性が高まっているのが、「トリアージ」という業務です。この「トリアージ」という業務は、一般用医薬品の販売者が、消費者からの情報収集と状況確認を基に、消費者の状況を評価するというものです。その結果、生活指導、更なる情報の収集、受診勧奨あるいは適切な一般用医薬品の選択が行われます。
今回のディスカッションは各パネリストの立場での「トリアージ」の位置付け、実効性、期待感についてお話いただき、また、「トリアージ」をすすめるにあたっての問題点、課題などについて意見交換を行いました。
総括
上村 直樹 氏
今回のテーマ「新販売制度のすすめ -よりよいトリアージを考える-」のキーワードは「適切な選択」と「適正な使用」です。トリアージ業務に必要なことは「適切な選択」がきちんとできるかどうかということになります。また、新たに、医薬品のトリアージだけではなく、消費者の状況までもトリアージすることが重要であることが明らかになりました。
すなわち、消費者一人ひとりの状況をふまえた情報発信が重要であると言えるでしょう。
出石 啓治 氏
「医薬品の適切な選択」「医薬品の適正使用」に加えて「生活者への医薬品の適切な提供」も重要です。製薬メーカーが適切に医薬品を製造、供給しても、販売の現場である薬局、ドラッグストアーからの生活者への適切な供給がなければ、無意味なことになります。なかでも生活者にとってエンドポイントである薬局、ドラッグストアーはセルフメディケーション推進の上で最も重要なポジションにあります。
販売現場でのよりよいトリアージによって、医薬品が生活者に適切に選択、供給される体制づくりに今後の一層の努力が必要と思われます。
上村 直樹 氏 (東京理科大学薬学部 教授)
出石 啓治 氏 (就実大学薬学部 教授)
パネルディスカッションの様子