平成23年10月4日
公益財団法人 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団
2011年度 一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム 開催のお知らせ
「一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム」は一般用医薬品によるセルフメディケーションの振興のための助成事業をサポートする活動で、第6回を数える今年のシンポジウムは平成23年10月4日(火)に開催され、本年度の助成対象者に目録の授与を執り行いました。
今年度は6月の選考委員会の選考を経て、理事会で決定された調査・研究テーマ14件、啓発事業等テーマ3件、合計17件に助成が行われます。
シンポジウムは、筑波大学大学院人間総合科学研究科 地域医療教育学教授・前野哲博氏を迎え、「地域医療の確立のために必要な医師・薬剤師連携のあるべき姿 ~ 一般用医薬品の果たすべき役割 ~」と題した基調講演が行われました。
また、パネルディスカッションでは、慶應大学薬学部教授・望月眞弓氏が座長として登場。パネリスト4名を交え、「地域医療の確立~スイッチOTC薬を通して医師と薬剤師の連携を探る~」をテーマに活発なディスカッションが行われました。
パネルディスカッションでは、座長の慶應義塾大学薬学部 教授 黒川達夫氏をはじめ、今回の演者である戸山芳昭氏、中井清人氏、佐々木孝雄氏が登壇し、「薬剤師は生活者のセルフケアにどう向き合うか」をテーマに活発なディスカッションを行いました。
地域医療の確立にはスイッチOTC薬を生活者に提供する薬剤師の症候判断レベルの向上は勿論ですが、これまで承認されていない疾患(慢性疾患等)に対応できるスイッチOTC薬を提供していく場合には、医師と薬剤師の新しい連携の仕組みが必要です。
また、地域医療従事者との連携の実例を積重ね、公表していく努力が重要であることが示されました。
当財団は地域医療におけるよりよい環境の確立をめざして様々な調査・研究、啓発事業等への助成及びシンポジウム開催等を行ってまいります。
理事長挨拶
シンポジウム会場の様子
パネルディスカッションの様子
平成23年度助成対象者一覧
調査・研究
順不同・敬称略
氏名 | 所属機関名 | 職名 | 研究テーマ |
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もちづき まゆみ 望月 眞弓 |
慶應義塾大学 薬学部 | 教授 | アイカメラを用いた一般用医薬品添付文書の理解度に及ぼす意匠工学的要因に関する研究 |
むらい ゆりこ 村井 ユリ子 |
東北大学 大学院 薬学研究科 | 准教授 | 妊婦・授乳婦・妊娠可能な女性における一般用医薬品・サプリメント摂取に関する研究 |
あかざわ まなぶ 赤沢 学 |
明治薬科大学 公衆衛生・疫学 | 教授 | 処方薬とOTC薬の併用に関する実態調査(薬剤使用点検と問題解決につなげるアクションプランの作成と共有) |
たかなか こういちろう 高中 紘一郎 |
新潟薬科大学 高度薬剤師 教育研究 センター | 准教授 | 日本版「OTCのカウンセリングガイドブック」と「シェルフトーカーキット」実証研究 |
もりべ くにかず 森部 久仁一 |
千葉大学 大学院 薬学研究院 | 准教授 | 薬物の溶解性・吸収性改善を目指した固体分散体の調製と物性評価及び評価系の構築 |
こうの たけゆき 河野 武幸 |
摂南大学 薬学部 | 教授 | 薬局・ドラッグストアで実施できる簡便かつ迅速な生化学検査薬の開発 |
すがわら みつる 菅原 満 |
北海道大学 大学院 薬学研究院 | 教授 | 難水溶性薬物の乳剤化による経口吸収改善の可否を決定する因子の探求 |
ひらやま ただひこ 平山 匡彦 |
社団法人 長崎県薬剤師会 | 理事 | 離島における一般用医薬品使用実態・ニーズ調査と医薬品供給・管理・適正使用推進への提案 |
さかい ちひろ 堺 千紘 |
神戸大学大学院 人間発達環境学 研究科 | 博士 課程 後期 課程 | 中学生の医薬品使用実態に関する調査研究 -医薬品教育プログラムの展開に向けて- |
ふじい さとし 藤井 聡 |
名古屋 市立大学 大学院 薬学研究科 | 教授 | 既卒薬剤師リカレント教育への症候論の導入によるセルフメディケーションの向上 |
とみおか よしひさ 富岡 佳久 |
東北大学 大学院 薬学研究科 | 教授 | セルフメディケーションに携わる人材育成を目指した大学院教育プログラムの開発 |
うつみ みほ 内海 美保 |
神戸学院大学 薬学部 | 講師 | セルフメディケーション支援を通じて患者教育を担う薬剤師の育成に向けた教育研究開発 |
はんや まなこ 半谷 眞七子 |
名城大学 薬学部 | 助教 | 模擬顧客を活用したOTC薬トリアージ能力開発のための薬剤師教育プログラムの構築 |
なるい こうじ 成井 浩二 |
東京薬科大学 薬学部 | 助教 | スイッチOTCの普及促進を指向した一般生活者に対する意識調査 |
啓発事業等
順不同・敬称略
氏名 | 所属機関名 | 職名 | 研究テーマ |
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やの ただのり 矢野 忠則 |
特定非営利 活動法人 おくすり研究会 | 代表 | 視覚障害者のための点字印刷による薬の正しい使い方啓発普及事業 |
ごとう けいこ 後藤 惠子 |
日本ファーマ シューティカル コミュニケーション 学会 | 会長 | 症候学とSP(模擬患者)セッションによる薬剤師のトリアージュ力の向上 |
やまうら ともゆき 山浦 知之 |
社団法人 上田薬剤師会 | 理事 | 薬剤師のOTC医薬品による軽医療介入のためのケースメソッドによる研修会 |