平成29年10月6日
公益財団法人 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団
2017年度 一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム 開催のお知らせ
平成29年10月6日(金)、東京千代田区の帝国ホテルにおいて「第12回一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム」が開催されました。
佐藤誠一理事長の挨拶につづき、平成29年度の助成対象に決定した18テーマが紹介され、代表者への目録授与式が執り行われました。
今年度は66件の応募があり、厳正な審査の結果、調査・研究助成15件、啓発事業等助成3件が選ばれ、合計18テーマに対して助成が行われます。
今年度のシンポジウムのテーマは、国の制度に即応した「地域包括ケアシステムにおけるセルフメディケーションの担う役割」。
基調講演者に島根大学医学部 内科学講座 第二教授 木下芳一氏をお迎えし、「胃酸関連疾患の時代変遷と治療法の変化」と題してお話しいただきました。
その後、各専門分野から講演された4名を交えてパネルディスカッションが行われ、地域包括ケアにおける健康サポート薬局の果たすべき役割について活発な意見が交わされました。
そして最後に、パネルディスカッションの座長をつとめられた東京薬科大学教授 渡辺謹三氏によって全体の総財団紹介パネル括がなされ、シンポジウムは閉幕となりました。
急速な少子高齢化に対応するため、国は2025年をめどに「地域包括ケアシステム」の整備を進めています。これは高齢者が重度の要介護になっても、住み慣れた地域で人生の最後まで自分らしい暮らしを続けられる環境をめざした制度です。こうした地域ぐるみの健康支援システムの中において、私たちの最も身近な窓口が「健康サポート薬局」です。「健康サポート薬局」は、薬のことを気軽に相談できるかかりつけ薬局であると同時に、一定の研修を終了した薬剤師が常駐して健診の受診をすすめたり、認知症の早期発見、栄養相談を受けるなど、私たちの健康維持・増進にかかわる具体的な情報を提供してくれる窓口でもあります。当財団では、この新制度に関する各種モデル事業や薬剤師育成プログラムを支援し、薬局、薬剤師、OTC医薬品が超高齢化社会の一翼を担うよう、今後も積極的に務めてまいります。
理事長挨拶
シンポジウム会場の様子
パネルディスカッションの様子
平成29年度助成対象者一覧
調査・研究
順不同・敬称略
氏名 | 所属機関名 | 職名 | 研究テーマ |
---|---|---|---|
よこすか あきひと 横須賀 章人 |
東京薬科大学 薬学部 | 講師 | 解熱鎮痛作用を持つアンチ・ドーピングを志向した生薬配合一般用医薬品の含有成分に関する調査研究OTC 薬の乳汁移行性の評価とメカニズムに関する研究 |
たかはし なおこ 高橋 直子 |
近畿大学薬学部 | 非常勤 講師 | 災害時におけるOTC薬適正使用のためのマニュアル作成に関する調査研究 |
なかじま りえ 中島 理恵 |
日本大学薬学部 薬事管理学教室 | 助教 | 製薬会社と薬剤師によるアスリートへのセルフメディケーション支援強化に向けた研究 |
たていし まさと 立石 正登 |
長崎国際大学 薬学部薬学科 | 教授 | 一般用医薬品の適正使用における情報提供のためのコミュニケーション教育及び研修方法に関する調査研究 |
いわお やすのり 岩尾 康範 |
静岡県立大学 薬学部 創剤工学研究室 | 准教授 | 高齢者を歯周病から衛るイオン液体内封マイクロエマルション洗口液の開発 |
いおはら こういちろう 庵原 耕一郎 |
国立研究開発法人 国立長寿医療研究 センター幹細胞 再生医療研究部 | 室長 | セルフメディケーションのためのナノバブル含有アセスによる歯周病治療薬促進効果の検討 |
いくた とうご 生田 統悟 |
埼玉県立 がんセンター | 主任 研究員 | 緑黄色野菜に多く含まれる大腸がん抑制物質の作用メカニズムの検討 |
やまむら しげお 山村 重雄 |
城西国際大学 薬学部 | 教授 | 特別養護老人ホームならびに老人保健施設における一般用医薬品等の服薬管理に関する実態調査 |
ふじい ゆきこ 藤井 由希子 |
第一薬科大学 薬学部 分析化学教室 | 講師 | 乳児子育て世帯でのOTC医薬品ー「安心」の視点から考えるー |
ほり さとこ 堀 里子 |
東京大学大学院 薬学系研究科 育薬学講座 | 特任 准教授 | セルフメディケーション推進のための登録販売者ワークショップ型研修プログラムの構築 |
あらい くにぞう 荒井 國三 |
金沢大学 医薬保健研究域 薬学系 | 教授 | 一般用医薬品の適正使用を指向した小中学生のための体験型リテラシー教育教材の開発 |
あべ めぐみ 安部 恵 |
日本大学薬学部 薬剤師教育 センター | 准教授 | 学校薬剤師による未来に繋がる地域包括型くすり教育促進に向けた現状調査研究 |
きくち ちぐさ 菊池 千草 |
名古屋市立大学 大学院 薬学研究科 臨床薬学分野 | 講師 | 薬局が行う継続的なロコモ予防活動によるセルフメディケーション推進効果の検証 |
よしなが まり 吉永 真理 |
昭和薬科大学 | 教授 | セルフメディケーションとまちづくり:官民学連携プロジェクトの実践と効果検証 |
なかむら ひでとし 中村 英俊 |
一般社団法人 上田薬剤師会 | 理事 | 地域包括ケアシステムに求められる薬局の相談対応時における薬剤師の技能向上の研究 |
啓発事業等
順不同・敬称略
氏名 | 所属機関名 | 職名 | 研究テーマ |
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あつみ げんいち 厚味 厳一 |
帝京大学薬学部 病態生理学教室 | 教授 | 薬学生による地域住民のセルフメディケーション支援 ~体重管理と健康~ |
たかばたけ えいいち 高畠 栄一 |
一般社団法人 福井県薬剤会 | 会長 | 福井のセルフメディケーションを考える |
むらい ゆりこ 村井 ユリ子 |
東北医科薬科 大学薬学部 臨床薬剤学教室 | 教授 | 周産期における葉酸摂取の重要性の啓発 |