平成30年10月5日
公益財団法人 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団
2018年度 一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム 開催のお知らせ
平成30年10月5日(金)、東京千代田区の帝国ホテルにおいて「第12回一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム」が開催されました。佐藤誠一理事長の挨拶につづき、平成30年度の助成対象に決定した18テーマが紹介され、代表者への目録授与式が執り行われました。
今年度は53件の応募があり、厳正な審査の結果、調査・研究助成15件、啓発事業等助成3件が選ばれ、合計18テーマに対して助成が行われます。
今年度のシンポジウムのテーマは、「地域医療で薬剤師が果たす役割。」基調講演者に慶應義塾大学医学部 整形外科学教室 中村雅也教授お迎えし、「超高齢社会で必要とされる近未来医療とヘルスケアとは」と題してお話しいただきました。
その後、各専門分野から講演された4名を交えてパネルディスカッションが行われ、地域医療に果たす薬剤師の役割について活発な意見が交わされました。
そして最後に、パネルディスカッションの座長をつとめられた東京薬科大学客員教授 渡辺謹三氏によって全体の総財団紹介パネル括がなされ、シンポジウムは閉幕となりました。
人々が健康で、安心して暮らしつづけるために、国は新たに「健康サポート薬局」という健康支援制度の整備を進めています。
この制度を支えるのは、皆様にとっても身近な「かかりつけ薬局・薬剤師」です。これからの薬剤師は、処方薬の服薬指導、医薬品や健康食品に関わる相談といった従来機能に加え、住民の皆様と直に関わりながら地域の健康管理者として役割を果たしていくことになります。
今後は、薬局において皆様の薬の履歴や健康データを一括管理したり、薬剤師から健康診断や専門医の受診をお勧めすることもあるでしょう。さらに、ご家族の栄養相談、認知症の早期発見、在宅医療への対応、災害時の健康サポートなど、薬剤師の役割はますます拡大していくと思われます。
当財団は「薬局・ドラッグストア」の新たな機能を応援するとともに、地域医療のファーストコンタクトとして活躍する新たな薬剤師像の確立に向けて、各種モデル事業や薬剤師育成プログラムをはじめとするさまざまな取り組みを支援してまいります。
理事長挨拶
シンポジウム会場の様子
パネルディスカッションの様子
平成30年度助成対象者一覧
調査・研究
順不同・敬称略
氏名 | 所属機関名 | 職名 | 研究テーマ |
---|---|---|---|
ふるげん あやこ 古堅 彩子 |
北海道大学大学院 薬学研究院 | 助教 | 解熱鎮痛作用を持つOTC 薬の乳汁移行性の評価とメカニズムに関する研究 |
よしだ たくじ 吉田 卓示 |
一般社団法人 上田薬剤師会 | 助教 | 薬局における衛生管理マニュアルによる一般用医薬品等の保管状況に関する調査 |
おばら たく 小原 拓 |
東北大学 東北メディカル・ メガバンク機構 予防医学・疫学部門 | 准教授 | 新生児・乳幼児・幼児・小児における一般用医薬品の使用実態とその有効性・安全性評価 |
たじま まさたか 田島 正教 |
昭和大学薬学部 基礎医療薬学講座 薬物動態学部門 | 助教 | 一般用医薬品の新規薬物代謝酵素CYP2J2を介した薬物間相互作用の可能性の評価 |
きむら しんいちろう 木村 晋一郎 |
静岡県立大学薬学部 創剤科学分野 | 助教 | 3Dプリンターを用いた個別化OTC医薬品の開発に関する基盤技術の確立 |
ふるいし たかゆき 古石 誉之 |
星薬科大学 薬品物理化学教室 | 助教 | 医薬品添加剤からなるイオン液体を基盤とした薬物の経皮吸収性改善および外用剤の基剤開発 |
うえだ けいすけ 植田 圭祐 |
千葉大学大学院 薬学研究院 製剤工学研究室 | 助教 | 加熱溶融混錬・アニール連続処理による高品質なOTC薬物ナノ結晶製剤調製法の確立 |
きしもと けいこ 岸本 桂子 |
昭和大学薬学部 社会健康薬学講座 社会薬学部門 | 准教授 | 一般生活者のセルフメディケーションによる対応・医療機関受診の判断に関する調査 |
かわの やよい 河野 弥生 |
東京理科大学 薬学部薬学科 | 講師 | 創傷管理製品のユーザビリティーに関するニーズ探索に基づいた新規外用剤の開発 |
きぬがわ さえこ 衣川 さえ子 |
東京医療保健大学 東が丘・立川 看護学部 | 教授 | 若年女性の低用量避妊薬および緊急避妊薬の活用に関わる影響要因の検討 |
あべ めぐみ 安部 恵 |
日本大学薬学部 薬剤師教育センター | 准教授 | 学校薬剤師対象「体験型くすり教育実践研修会」の実施と効果的なあり方の検討 |
おんだ みつこ 恩田 光子 |
大阪薬科大学 | 教授 | 薬局薬剤師による個別化された禁煙支援の実践とその効果に関する介入研究 |
いわた ひろき 岩田 紘樹 |
慶應義塾大学薬学部 医療薬学・ 社会連携センター 社会薬学部門 | 助教 | 薬局で実施する口腔内検査のニーズ及び歯科受診と口腔ケアにおける行動変容の調査 |
いけだ かよ 池田 佳代 |
広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 | 助教 | セルフメディケーションへの意識調査に基づいた新規健康フェア実施方法の模索 |
よしなが まり 吉永 真理 |
昭和薬科大学 | 教授 | セルフメディケーションとまちづくり(その2):官民学連携による子ども・子育て支援のアウトリーチ活動に関する調査研究 |
啓発事業等
順不同・敬称略
氏名 | 所属機関名 | 職名 | 研究テーマ |
---|---|---|---|
かさはら だいご 笠原 大吾 |
一般社団法人 沖縄県薬剤師会 | 常務理事 | 沖縄県の薬局の無い離島での“健康とおくすり相談”を通した住民のセルフメディケーションの向上事業 |
いいじま ひさし 飯嶋 久志 |
一般社団法人 千葉県薬剤師会 | 薬事情報 センター長 | OTC医薬品の副作用報告推進に向けた啓発資材の開発と普及 |
ながもち けん 永持 健 |
横浜市中区 薬剤師会 | 会長 | セルフケア薬剤師のための風邪の診かた ~チェックシートを使って、地域の薬剤師をレベルアップする~ |