パネルディスカッション
[生活者・患者さんから必要とされる薬局薬剤師のあり方]
~対物から対人業務への取り組み~
テーマ説明
「対物から対人へ」というキーワードのもと、生活者の薬物治療に直接関わる薬局・薬剤師の役割が大きく変わりつつあり、薬局・ドラッグストアの現場では業務の一部を機械化して効率化を図るなど、患者さんの相談やフォローに時間を費やせるよう、業務の改善を進めるケースも増えています。そうした背景から、これからの薬剤師像はどのように変わってゆけばいいのか、そして地域の住民からより信頼され、必要とされる薬局になるために何をすればいいのか、医師、行政、メディア、ドラッグストア、アカデミアそれぞれの立場から方向性を探りました。
総括
「モノ」から「ヒト」へ。薬局・薬剤師は、調剤室での薬剤(モノ)の管理業務から、患者さんのフォローや健康相談、また医師との連携など、健康(人)の管理業務へと変わっていかざるを得ない時代となりました。すでに薬剤師業務の効率化を図り、地域包括ケアの一部として機能しているドラッグストアがある一方、多くの薬局はいまだに閉鎖的で、処方箋がないと入りにくいという声も多いと示唆されました。
これからは薬剤師が調剤室からフロアへ出ること。そして待合をOTCの売り場に変えて積極的に患者さんのセルフメディケーションに関わり、さらに他職種と協働するなど、地域包括ケアシステムのチームの一員としての当事者意識をもつことが大事になってくると思われます。
東京理科大学薬学部 教授
上村 直樹 氏
同時に大学においては、在宅医療や予防医薬に通じた薬剤師を育成する一方、学生たちが夢をもって働きたくなるような環境を整え、魅力あふれる健康サポート薬局を増やしていくことも、信頼される薬局・薬剤師を醸成する上で大事な視点になるのではないでしょうか。パネルディスカッションでは以上のような提言がなされ、会場の皆さんとも今後の課題を共有し、第14回シンポジウムは終了いたしました。
東京理科大学薬学部 教授 上村 直樹 氏
パネルディスカッションの様子
参加者
【座 長】
上村 直樹 氏 東京理科大学薬学部 教授
【パネリスト】
水野 博司 氏 順天堂大学医学部 形成外科学講座 教授
安川 孝志 氏 厚生労働省 医薬・生活衛生局 総務課
薬事企画官/ 医薬情報室長
河野 紀子 氏 日経ドラッグインフォメーション 編集記者
後藤 輝明 氏 株式会社ツルハホールディングス
取締役常務執行役員
山浦 克典 氏 慶応義塾大学薬学部 教授 附属薬局長