シンポジウム

令和2年10月2日
公益財団法人 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団

2020年度 一般用医薬品セルフメディケーション
シンポジウム 開催のお知らせ

参加者の皆様にはWEB配信にてご視聴頂きました。

令和2年10月2日(金) 、帝国ホテル(東京都千代田区)において「第15回 セルフメディケーションシンポジウム」が、助成目録の授与式を兼ねて開催されました。本年のシンポジウムは、新型コロナウイルスの感染リスクに鑑み、会場には講演者、助成者代表、および主催関係者のみとし、参加者の皆様へはWEBを通じて配信するというスタイルで行われました。

シンポジウムは例年通り、佐藤誠一理事長の挨拶で幕をあけ、本年度の助成に決定した17テーマの紹介と共に、調査・研究助成、啓発事業等助成それぞれの代表者へ目録が授与されました。

今年度は昨年より7件多い66件の応募があり、厳正な審査の結果、調査・研究助成が15件、啓発事業等助成2件の合計17テーマに対して助成が行われます。

その後、シンポジウムの基調講演として、鳥取大学医学部 久留一郎教授によるリモート講演「最近の通風・高尿酸血症の治療法と未来医療」が行われ、再生医療を活用した研究の最新情報とともに新薬の可能性が示されました。

基調講演の詳しい内容はこちら

続いて、現在、全世界が直面しているセルフケア環境の変化をテーマに取り上げ、「ニューノーマル時代のセルフメディケーションの在り方」と題した特別講演が行われました。座長・東京理科大学薬学部 上村直樹教授によるテーマ説明の後、メディア、ドラッグストア、アカデミアの立場から3人の専門家が講演を行い、最後に、座長総括としてニューノーマル時代の薬局・薬剤師に求められる新たな役割について提言がなされました。

特別講演の詳しい内容はこちら

withコロナの時代において医療資源が制限される中、自分の健康を守るためには、セルフケア・セルフメディケーションのさらなる浸透が求められます。

本年7月に閣議決定された、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針2020)では、新たな日常に対応した予防・健康づくり、重症化予防の推進策として、一般用医薬品等の普及とセルフメディケーションの推進が明記されました。新しい生活様式への移行が進む中で、一部では健康を守るための行動変容も起こり始めております。当公益財団といたしましても、国策の実現に寄与していきたいと考えております。

当公益財団のシンポジウムでは、セルフメディケーションの推進に向け、地域医療における薬局や薬剤師の役割を重要なテーマとして、各界の皆様と議論を重ね、提言してまいりました。このOTC医薬品を適正に使用するための情報提供や服薬指導については、当財団を設立した目的のひとつです。

国民が必要とする優れた一般用医薬品の提供にむけて、適正使用のための環境づくりなども、今後のテーマとして取り上げて参りたいと考えており、国民の健康で快適な生活の実現に向けて、様々な調査研究や啓発事業の助成を通じ、セルフケア・セルフメディケーションの定着を目指してまいります。


  • 理事長挨拶

  • シンポジウム会場の様子

令和2年度助成対象者一覧

調査・研究

順不同・敬称略

氏名 所属機関名 職名 研究テーマ
よしだ たくじ
吉田 卓示
一般社団法人 上田薬剤師会 理事 情報共有システムを利用した薬局の連携体制向上による一般用医薬品適正使用推進に関する研究
こすげ やすひろ
小菅 康弘
日本大学薬学部 薬理学研究室 准教授 脳内移行性に着目した点鼻薬の潜在的副作用に関する研究
すずき なおと
鈴木 直人
日本大学薬学部 薬剤学研究室 助教 市販点鼻薬のヒト鼻腔内における分布が薬物の標的部位以外への送達性に及ぼす影響
にった あつみ
新田 淳美
富山大学学術研究部 薬学・和漢薬系 薬物治療学研究室 教授 遺伝子修飾を基盤とする個別化した禁煙指導実施のためのマーカーの確立
あきよし たけし
秋好 健志
慶應義塾大学薬学部 専任講師 フェキソフェナジンと各種柑橘類の消化管吸収過程における相互作用リスクの評価
こばやし まさき
小林 正紀
北海道大学大学院 薬学研究院 准教授 腸管免疫に関わる新たな指標を用いたOTC薬の安全性評価
なべ たけし
奈邉 健
摂南大学薬学部 教授 脂溶性ビタミン製剤はアレルゲン免疫療法のアジュバントになり得るか
さとう ひでゆき
佐藤 秀行
静岡県立大学薬学部 薬剤学分野 講師 印刷工芸技術を用いた機能性微粒子設計によるOTC医薬品の付加価値向上
たはら こうへい
田原 耕平
岐阜薬科大学 教授 口腔内崩壊バブルフイルムOTC製剤の開発
いかり あきら
五十里 彰
岐阜薬科大学 生命薬学大講座 生化学研究室 教授 OTC薬への転用促進に向けた難吸収性薬剤の皮膚透過促進剤の開発
なかやま たかひろ
中山 高宏
杏林大学医学部 病態生理学教室 助教 食品成分による依存症抑制作用メカニズムの検討
ますもと しょういち
舛本 祥一
筑波大学 医学医療系 講師 在宅医療を行う患者と家族介護者におけるセルフメディケーションの実態と関連要因
ほり さとこ
堀 里子
慶應義塾大学薬学部 医薬品情報学講座 教授 オンラインを活用した薬剤師介入によるセルフメディケーション推進モデルの構築
おぬま なおこ
小沼 直子
日本大学薬学部 助教 薬局によるロコモ・フレイル予防を目的とした健康推進プログラムの開発と効果の検討
たぐち かずあき
田口 和明
慶應義塾大学薬学部 薬効解析学講座 専任講師 セルフメディケーション税制に対する理解度と意識の実態調査
啓発事業等

順不同・敬称略

氏名 所属機関名 職名 研究テーマ
しかむら よしあき
鹿村 恵明
一般社団法人 栃木県薬剤師会 副会長 オーラルケア商品の継続購入者に対する薬局薬剤師の歯科受診勧奨ガイドラインの開発とWeb動画による啓発
あべ めぐみ
安部 恵
日本大学薬学部 薬剤師教育センター 准教授 演出家的発想法を導入し開発した「小学生向けくすりの適正使用啓発教材」を用いた茨城県内3地域内における参加・体験型「くすり教育実践研修会の開催

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