シンポジウム

令和4年10月7日
公益財団法人 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団

2022年度 一般用医薬品セルフメディケーション
シンポジウム 開催のお知らせ

参加者の皆様にはWEB配信にてご視聴頂きました。

 令和4年10月7日(金)、帝国ホテル(東京都千代田区)において「第17回一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム」が、助成目録の授与式を兼ねて開催されました。本年のシンポジウムも昨年にひきつづき新型コロナウイルスの感染リスクに鑑み、会場には講演者、助成者代表、および主宰関係者のみとし、参加者の皆様にはWEB配信にてご視聴いただきました。

 シンポジウムは例年通り、佐藤誠一理事長のあいさつで幕を開け、本年度の助成対象に決定した20テーマの紹介とともに、「調査・研究助成」の代表者へ目録が授与されました。

 今年度は73件の応募があり、厳正な審査の結果、調査・研究助成が18件、啓発事業等助成が2件の合計20件のテーマに対して助成が行われます。

 その後、鶴見大学歯学部 歯周病学講座 五味一博教授により「最近の歯周病治療とセルフメディケーション」と題して基調講演が行われました。

基調講演の詳しい内容はこちら

続いて、メディア、ドラッグストア、アカデミア、それぞれの立場から3名の講演が行われ、その後「セルフメディケーションの革新」をテーマにパネルディスカッションが行われました。

講演1~3の詳しい内容はこちら

コロナ禍での環境変化を転換点として、これからのセルフメディケーションはどう変わっていくべきなのか。壇上では、消費者のヘルスリテラシーの向上を担う薬剤師のあり方についてさまざまなアイデアが出され、座長を務めた慶應義塾大学薬学部 医療薬学・社会連携センター 教授 山浦克典氏の総括をもってシンポジウムは閉幕いたしました。

パネルディスカッションの詳細はこちら

新型コロナウイルス感染症につきましては、収束がいまだ見えない状況が続いております。感染防止と社会経済活動の両立というフェーズに現在は移行しております。

また抗原検査キットのOTC化も認められるなど、セルフチェックのための環境整備も進んでおり、日常生活においてもセルフケア・セルフメディケーションが定着することを期待しております。

政府が発表した本年度の骨太の方針では、持続可能な社会保障制度の構築に向け、「OTC医薬品・OTC検査薬の拡大に向けた検討等によるセルフメディケーションの推進、ヘルスリテラシーの向上」ということが明記されております。これを実現するためには、行政からもここに書かれているような多面的な取り組みが進められるとのことで、当財団といたしましても今後のテーマとして取り上げていきたいと考えております。

また、骨太の方針でも重視されております「ヘルスリテラシーの向上」については、様々な環境整備とともに、医師・薬剤師を中心に生活者に対する適切なサポートと連携が重要だと考えております。

そういった取り組みによって生活者の健康への関心が高まり、正しい理解によって予防、健康のためのセルフケアと、症状や状況に応じた適切な行動が期待されます。そして、OTC薬を活用した適切なセルフメディケーションの推進にもつながると考えております。

当公益財団では、国民の健康で快適な生活の実現に向けて、様々な調査研究や啓発事業の助成を通じ、セルフケア・セルフメディケーションの定着を目指してまいります。


  • 理事長挨拶

  • シンポジウム会場の様子

  • パネルディスカッションの様子

令和4年度助成対象者一覧

調査・研究

順不同・敬称略

氏名 所属機関名 職名 研究テーマ
かみぬま おさむ
神沼 修
広島大学原爆放射線医科学研究所 疾患モデル解析研究分野 教授 鼻粘膜過敏性亢進抑制作用を指標とした第2世代抗ヒスタミン薬の再評価
いいじま ひろや
飯島 裕也
一般社団法人 上田薬剤師会 薬局部理事 地域連携における一般用医薬品の情報共有システム構築に関する研究
あきよし たけし
秋好 健志
慶應義塾大学 医学部 病院薬剤学教室 専任講師 フェキソフェナジンと解熱鎮痛剤の相互作用のリスク評価と個人間変動解析
やまだ けいこ
山田 恵子
順天堂大学大学院 医学研究科 疼痛制御学 准教授 解熱鎮痛剤による月経痛のセルフメディケーションの疫学調査
いのうえ だいすけ
井上 大輔
富山大学 学術研究部 薬学・和漢系医療薬学研究室 助教 時間薬理学的アプローチによる鼻炎症状の日内変動に同調させた経鼻製剤の用法最適化
ふるげん あやこ
古堅 彩子
北海道大学大学院 薬学研究院 助教 不眠に対するセルフメディケーションを見据えた睡眠薬の乳汁移行に関する研究
うえの たかよし
上野 貴雄
金沢大学附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教 花粉症薬剤の適正使用にむけた実態調査とAIを活用した薬剤選択モデルの基礎開発
おおい かずや
大井 一弥
鈴鹿医療科学大学 薬学部 教授・薬学部長 抗がん薬投与で発現する色素沈着に対する一般用医薬品の有用性に関する研究
ひがし けんじろう
東 顕二郎
千葉大学大学院 薬学研究院 准教授 糖類との薬物Na塩共結晶化による一般用医薬品の製剤特性改善
かどた かずのり
門田 和紀
大阪医科薬科大学 薬学部 製剤設計学研究室 准教授 多孔性配位高分子を利用した個別化OTC医薬品開発
やまだ こうへい
山田 幸平
静岡県立大学 薬学部 助教 Flash nanoprecipitation 法を活用した即効性を期待するOTC医薬品の開発
いのうえ もとき
井上 元基
明治薬科大学 分子製剤学 専任講師 機械学習による口腔内崩壊フィルム製剤開発のモデルの構築
はなわ たけひさ
花輪 剛久
東京理科大学 薬学部 薬学科 教授 患者に優しい製剤の開発-口腔粘膜炎の発症予防を目的とした用時調製型含嗽剤の開発-
もも けんじ
百 賢二
昭和大学 薬学部 准教授 妊娠と緊急避妊薬の使用に関するリテラシー教育のためのツール構築―妊娠・出産に関する医療ビッグデータ解析と高校生・大学生を対象とした実態調査―
やまむら しげお
山村 重雄
城西国際大学 薬学部 特任教授 ケースシナリオを用いた「性と生殖に関する健康」サービス提供のための人材育成
かんばやし だん
神林 弾
昭和薬科大学 臨床薬学教育研究センター 実践薬学部門 助教 新興感染症感染リスクから守る薬剤師によるセルフメディケーション支援モデルの検討
ながしま かずき
永島 一輝
帝京大学 薬学部 助教 過量服薬防止のためのOTC医薬品に関する薬局のニーズ調査と新規データベースの創出
いのまた たけのり
猪俣 武範
順天堂大学 医学部 眼科学講座 准教授 ドライアイ診断補助用スマホアプリの診断能に関わる多機関観察研究
啓発事業等

順不同・敬称略

氏名 所属機関名 職名 研究テーマ
あべ めぐみ
安部 恵
一般社団法人 松戸市薬剤師会 理事 三世代一緒に学ぼう「オーラルフレイル予防教室」と孫のお手紙ワークショップの開催
しかむら よしあき
鹿村 恵明
一般社団法人 栃木県薬剤師会 副会長 口腔・嚥下機能低下予防のためのセルフメディケーションの推進

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