新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大に伴い、社会全体が新しい生活様式を取り入れた日常が当たり前となりつつある。
日経ドラッグイフォメーションでは、2020年5月号で緊急特集として「新型コロナウイルス感染症 今、薬局にできること」を企画した。以後、これまで経験したことのない感染症の拡大の中で、薬局、薬剤師が患者や地域住民、社会から求められることは何なのか、という視点で記事を発信している。
取材を進める中で現場の薬剤師からよく聞くのが、「受診は電話などでも、薬局には直接来る患者が多い」という話である。 こうした患者の心理をくみ取りながら、平時と変わらない対応を行っていくこともコロナ禍においては大事な視点ではないかと考える。
当たり前のことを淡々とこなしながら、新型コロナに対する最新の情報や消毒薬に関する知識、あるいは眠れない、マスクが買えない、ぜんそくで外へ出られないなど、患者一人ひとりの不安や疑問に細かく対応することも大事ではないか。
一方、4月に行われた2020年度の調剤報酬改定は、薬局と医療機関をはじめとした「連携」がキーワードの1つではあったが、感染拡大の影響で思ったように進んでいないのも実情と聞く。だが、「コロナだから」と消極的になるのではなく、ウェブ会議システムなどを取り入れて、スマートにこの時代を乗り切っていくことが求められている。 |