令和6年度 研究成果報告書
令和6年度 啓発事業報告書
日本大学 薬学部 薬剤師教育センター 准教授 安部恵
市販薬のオーバードーズ防止啓発教材の開発と啓発活動活性化に向けた講演会の実施 |
筑波大学 人間系 助教 仲田真理子
「発達障害の当事者とまわりの人のための薬はじめてガイド」恒常設置に向けた取り組み |
公益財団法人全日本科学技術協会 事業推進部 シニア専門職 鈴木久美子
新興感染症の感染拡大防止に向けた地域プラットフォームシンポジウム |
令和6年度 調査・研究報告書
名古屋市立大学大学院 薬学研究科 臨床薬学分野 教授 舘知也
言語・画像データ解析に基づく遠隔セルフメディケーション支援・相談の推進・最適化 |
順天堂大学 医学部 スポーツ医学研究室 准教授 染谷由希
スポーツ活動中の鎮痛剤(一般用医薬品または要指導医薬品含む)の使用実態と副作用に関する認識との関連 |
慶應義塾大学 医学部 病院薬剤学教室 准教授 秋好健志
フェキソフェナジンとの相互作用を引き起こす柑橘果汁中阻害成分の網羅的定量解析に基づく相互作用の推定 |
九州大学大学院 薬学研究院 准教授 坂元政一
漢方薬の適正使用とセルフメディケーションの推進-アスリートの視点から- |
神戸薬科大学 製剤学研究室 准教授 古林呂之
加齢による鼻粘膜の機能及び構造変化がもたらすOTC点鼻薬の経鼻吸収性への影響 |
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 予防医学・疫学部門 助教 野田あおい
妊娠可能年齢女性における抗ヒスタミン薬使用の実態と妊娠中の使用に関する安全性評価 |
千葉大学大学院 薬学研究院 先端実践薬学講座 実務薬学研究室 助教 永島一輝
官能試験を用いたオーバードーズ防止のためのOTC医薬品の適切な剤型の検証 |
静岡県立大学 薬学部 臨床薬剤学分野 講師 内野智信
自転公転式造粒法による新剤形プレゲル顆粒の調製と評価 |
神戸薬科大学 製剤学研究室 講師 田中晶子
がん治療時の口腔粘膜炎へのセルフメディケーション可能なヒアルロン酸シートの開発 |
福岡大学 薬学部 助教 牛尾聡一郎
インフォデミックによる一般用医薬品の情報伝播過程の解明 |
昭和薬科大学 公衆衛生学研究室 准教授 庄野あい子
薬局を活用したがんの早期発見に関する医療経済学研究 |
岡山大学 薬剤部 臨床薬剤学研究室 副部長 濱野裕章
糖尿病予防のための個別化健康管理:産学官民連携アプローチ |
日本大学 薬学部 地域医療薬学研究室 専任講師 中島理恵
インフォデミック時に適切な健康行動を促す判断力育成型ヘルスリテラシー教育の考案 |
大阪医科薬科大学 薬学部 社会薬学・薬局管理学研究室 助教 庄司雅紀
コンコーダンスの理論に基づいた地域における薬-栄協働支援の効果 に関する研究 |
順天堂大学 医学部 眼科学講座 准教授 猪俣武範
花粉症スマホアプリによる行動変容に基づく予防・個別化医療の実現 |
武庫川女子大学 薬学部 臨床製剤学研究室 教授 吉田都
ルシフェラーゼ発現乳酸菌および近赤外発光基質を用いた嚥下動態評価システムの構築 |
慶應義塾大学 薬学部 医薬品情報学講座 研究員 早川雅代
患者協働的アプローチによる薬局利用者から薬剤師への質問促進リストの開発 |
東京医療保健大学大学院 看護研究科母性看護学・助産学 准教授 佐藤いずみ
プレコンセプションケアに関する教育プログラムの評価 |
令和6年度 助成を受けられた方の声
【調査・研究 助成者】 名古屋市立大学大学院薬学研究科 臨床薬学分野 ◆この度受けられた助成について所感および当助成によって成し得た成果など 本研究を通して、我々が以前より実施してきた電話・メール・LINE®による遠隔セルフメディケーション相談のデータを分析し、遠隔時における相談内容、連絡手段および言語・画像コミュニケーションの実態を明らかにすることができました。さらに、薬剤師による遠隔セルフメディケーション支援・相談の推進・最適化のために、本研究結果をもとにその支援・相談のあり方を提示することができました。このような興味深い知見を得ることができ、重要な提言ができましたことは、本助成のおかげと心より感謝しております。◆当財団の助成の意義について セルフメディケーションは、限りある医療資源の中で持続可能な医療制度を維持していく上で益々重要になってきています。最近では、国は厚生労働省医政局内にセルフケア・セルフメディケーション推進室を設置しました。このような背景の中、セルフメディケーションを適切に行い、推進していくためには、セルフメディケーションに関するエビデンス構築は欠かすことができないと考えます。様々な分野の研究者がセルフメディケーションやOTC医薬品に焦点をあてた研究を展開するための本助成は、国民がセルフメディケーションを行い、OTC医薬品を適切に使するためのエビデンス構築の礎となると言っても過言ではないでしょう。◆当助成への応募を検討している方へ 本助成を受けられた方の顔ぶれを拝見すると、薬学研究者だけでなく様々な分野の研究者がいらっしゃいます。セルフメディケーションの推進には、医薬品を扱う物質科学、医薬品を取り巻く社会を扱う社会科学、医薬品の費用を扱う経済学、医薬品を使用する人の心理学、医薬品のことを教える教育学など様々な分野からのアプローチが必要であることが理由でしょう。つまり、どのような分野の研究者も本助成を受けるチャンスがあり、多くの研究者に門戸が開かれているわけです。様々な分野の研究者が本助成を受けられて、セルフメディケーションに関するエビデンス構築が進むことを期待しています。 |
【調査・研究 助成者】 順天堂大学 医学部 眼科学講座 ◆この度受けられた助成について所感および当助成によって成し得た成果など 本助成を受けて、花粉症という多因子・多臓器疾患に対するセルフメディケーション支援と個別化医療の推進を目指した研究を実施することができました。具体的には、症状に関する患者報告アウトカムを収集し、行動変容を促す機能を有するスマホアプリを用いて、前向き無作為化介入研究のプロトコルを立案し、研究を開始することができました。当該研究を通じて、スマホアプリ併用による非鼻症状スコアおよび総症状スコアの有意な改善効果を示すことができ、セルフメディケーションや日常生活における予防行動の重要性を臨床的に裏付ける成果を得ることができました。 このように、助成によって本研究の着実な推進と、花粉症診療における新たな医療基盤の構築に大きく寄与する成果を成し遂げることができ、深く感謝しております。 ◆当財団の助成の意義について 本助成は、日本で唯一の一般用医薬品(OTC薬)に関する助成制度であり、セルフメディケーション推進を研究対象とする医師・研究者にとって、非常に貴重かつ意義深い存在です。特に、近年重視されている「予防医療」や「個別化医療」を、患者の自己管理(セルフケア)を通じて現場に根付かせるためには、OTC薬の適切な使用促進が不可欠です。本財団の支援により、医療者と患者の双方が連携しながら、日常生活圏での自己管理支援を科学的に検証するための環境が整備され、予防医療推進に向けた重要な一歩を踏み出すことができました。 今後もこのような助成を通じ、OTC薬を中心としたセルフメディケーション推進型研究が一層発展していくことを期待しております。 ◆当助成への応募を検討している方へ 当該研究助成は、一般用医薬品(OTC薬)を活用したセルフメディケーションや予防医療、個別化医療の推進を目指す研究者にとって、非常に大きな力となります。研究アイディアがまだ基礎段階であっても、臨床現場や患者支援に直結するテーマであれば、本助成によってプロジェクトを立ち上げ、成果に結び付けるチャンスを得られます。また、日常生活圏での健康管理や予防行動に焦点を当てた研究は今後ますます重要性を増す領域であり、チャレンジする価値があります。ぜひ積極的に応募し、セルフメディケーションの新たな可能性を切り拓いていただきたいと思います。 |