シンポジウム

令和3年10月8日
公益財団法人 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団

2021年度 一般用医薬品セルフメディケーション
シンポジウム 開催のお知らせ

参加者の皆様にはWEB配信にてご視聴頂きました。

令和3年10月8日(金)帝国ホテル(東京都千代田区)において「第16回一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム」が、助成目録の授与式を兼ねて開催されました。本年のシンポジウムも昨年にひきつづき新型コロナウイルスの感染リスクに鑑み、会場には講演者、助成者代表、および主宰関係者のみとし、参加者の皆様にはWEB配信にてご視聴いただきました。

 シンポジウムは例年通り、佐藤誠一理事長のあいさつで幕を開け、本年度の助成対象に決定した21テーマの紹介とともに、「調査・研究助成」「啓発事業等助成」それぞれの代表者へ目録が授与されました。

 今年度は財団創設以来最も多い77件の応募があり、厳正な審査の結果、調査・研究助成が18件、啓発事業等助成が3件の合計21件のテーマに対して助成が行われます。

 その後、医療法人社団ウェルエイジング総院長/東京女子医科大学名誉教授 川島眞医学博士による基調講演「アトピー性皮膚炎と高齢者のドライスキン~どこまで医薬品?どこからセルフメディケーション?~」が行われ、高齢者の皮脂欠乏症およびアトピー性皮膚炎について、近年の研究報告とともに医薬品外用薬からセルフメディケーションへの移行条件等について見解が示されました。

基調講演の詳しい内容はこちら

続いて、慶應義塾大学薬学部 医療薬学・社会連携センター 教授 山浦克典氏により「デジタル改革と新たなセルフメディケーションの推進」と題した特別講演が行われ、同テーマに関連してメディア、ドラッグストア、アカデミアの専門家3名が講演を行いました。最後に、山浦教授より座長総括として「医療人は、真に人の健康と幸せを支援するデジタル時代のヘルスケアを実践していかなければならない」という提言がなされました。

特別講演の詳しい内容はこちら

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は進んでいるものの、感染力の強い変異株の出現など収束が見えない状況が続いており、病床の確保とともに、医師の負担を軽減するためのセルフケア・セルフメディケーションのさらなる推進も求められております。
本年4月、厚生労働省内にセルフケア・セルフメディケーション推進室が設置されました。限りある医療資源を有効に活用し、国民の健康増進を図るために、スイッチOTCの推進やセルフメディケーション税制の拡充、国民に対する啓発活動など、厚生労働省内で部局横断的に取り組むための司令塔として設置されたもので、すでに、具体的にどのような施策を進めるのかという議論を推進室と始めており、今後の継続的な取り組みを期待しております。

当公益財団のシンポジウムでは、セルフメディケーションの推進に向け、地域医療における薬局や薬剤師の役割、また、一般用医薬品を適正に使用するための情報提供を重要なテーマとして、各界の皆様と議論を重ね、提言してまいりました。国民が必要とする優れた一般用医薬品の提供に向けて、適正使用のための環境づくりなども今後のテーマとして取り上げていきたいと考えております。

 当公益財団では、国民の健康で快適な生活の実現に向けて、様々な調査・研究や啓発事業の助成を通じ、セルフケア・セルフメディケーションの定着を目指してまいります。


  • 理事長挨拶

  • シンポジウム会場の様子

令和3年度助成対象者一覧

調査・研究

順不同・敬称略

氏名 所属機関名 職名 研究テーマ
かんばら さきこ
神原 咲子
一般社団法人 EpiNurse 代表理事 健康危機管理・防災のためのセルフメディケーションボックスの開発
せき てつや
関 徹也
一般社団法人 上田薬剤師会 理事 一般用医薬品に関する販売、情報提供後のフォローアップ及び医療機関への情報提供に関する研究
かみぬま おさむ
神沼 修
広島大学 原爆放射線医科学研究所 教授 鼻粘膜過敏性亢進抑制作用を指標とした第2世代抗ヒスタミン薬の再評価
ひらつか まさひろ
平塚 真弘
東北大学大学院 薬学研究科 准教授 バイオバンク情報を活用した鎮咳薬の代謝的モルヒネ中毒に関わる遺伝子多型の探索
よこすか あきひと
横須賀 章人
東京薬科大学 薬学部 准教授 一般用医薬品の適正使用を目的とした生薬成分の定量NMRによる分析に関する研究
やはぎ ただひろ
矢作 忠弘
日本大学 薬学部 助教 丁子の適正使用に向けた品質評価に関する研究
あきやま しげお
秋山 滋男
東京薬科大学 薬学部薬学実務実習教育センター 講師 OTC点眼薬の適正使用推進に必要な情報の探索
なかむら とものり
中村 智徳
慶應義塾大学大学院 薬学研究科 医療薬学部門 教授 一般用漢方製剤の抗肥満・血糖降下作用の分子メカニズム解析に基づく科学的根拠の解明
ひがし けんじろう
東 顕二郎
千葉大学大学院 薬学研究院 准教授 糖類との薬物Na塩共結晶化による一般用医薬品の製剤特性改善
いかり あきら
五十里 彰
岐阜薬科大学 生命薬学大講座 生化学研究室 副学長兼教授 腸管上皮の細胞間アミノ酸吸収の制御による高齢者フレイルティの予防に関する研究
のりき さこん
法木 左近
福井県立大学 医学部Aiセンター 教授 足白癬のセルフメディケーションに向けた白癬菌抗原キットのための検体採取法の検討
たがみ たつあき
田上 辰秋
名古屋市立大学大学院 薬学研究科 薬物送達学分野 講師 ドライマウスのセルフメディケーションに向けた口腔内に適用する製剤の開発
いのうえ もとき
井上 元基
明治薬科大学 分子製剤学 講師 透過低波数ラマン分光の活用による固形製剤中共結晶の定量的評価法の開発
さいとう よしまさ
齋藤 義正
慶應義塾大学 薬学部 薬物治療学講座 教授 NAD+前駆体を用いた老化に対するセルフメディケーションの開発
はやし としのぶ
林 稔展
福岡大学 薬学部 准教授 新型コロナウィルス感染症の宿泊療養施設における一般用医薬品の使用状況調査
わたなべ ふみゆき
渡邉 文之
日本大学 薬学部 地域医療薬学研究室 教授 セルフメディケーション支援を目的としたカウンセリングスキル教育プログラムの開発
おくむら ゆういち
奥村 雄一
順天堂大学大学院 デジタル医療講座 特任助手 ドライアイ用スマホアプリを用いたドライアイ診断のDX化による予防・予測・個別化医療の実現
矢作 直也
矢作 直也
筑波大学 医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科 准教授 検体測定室とパーソナルヘルスレコードの連動によるセルフメディケーション推進の研究
啓発事業等

順不同・敬称略

氏名 所属機関名 職名 研究テーマ
あべ めぐみ
安部 恵
日本大学 薬学部 薬剤師教育センター 准教授 演出家的発想法を導入した「小学生向けくすりの適正使用啓発教材」による啓発活動の実施と教材活用促進ツールの作成
なかた まりこ
仲田 真理子
筑波大学 人間系 助教 発達障害者当事者と家族が薬を正しく活用するための啓発コンテンツ作成事業
おのでら りょう
小野寺 亮
東北大学大学院 薬学研究科 助教 薬剤師体験型ボードゲームの開発及びセルフメディケーションの早期教育への活用

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