シンポジウム

令和6年10月2日
公益財団法人 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団

2024年度 一般用医薬品セルフメディケーション
シンポジウム 開催のお知らせ

当日はオンライン同時配信にて開催致しました

 令和6年10月2日(水)、帝国ホテル(東京都千代田区)において「第19回一般用医薬品セルフメディケーションシンポジウム」が、助成目録の授与式を兼ねて開催されました。
本年のシンポジウムも会場には講演者、助成者代表、および主宰関係者のみとし、参加者の皆様にはオンライン同時配信にてご視聴いただきました。

 シンポジウムは例年通り、佐藤誠一理事長のあいさつで幕を開け、本年度の助成対象に決定した21テーマの紹介とともに、「調査・研究助成」「啓発事業等助成」それぞれの代表者へ目録が授与されました。
 今年度は過去最多となる78件の応募があり、厳正な審査の結果、調査・研究助成は18件、啓発事業等助成が3件の合計21件のテーマに対して助成が行なわれます。

 その後、東京大学大学院 医学系研究科 相原 一 教授による基調講演「花点眼薬によるセルフメディケーションの現状と課題~点眼薬と点眼行為の特殊性~」が行われました。

基調講演の詳しい内容はこちら

 続いて、メディア、ドラッグストア、アカデミア、それぞれの立場から3名の講演が行われ、その後「セルフメディケーションの推進 ~ 一般用医薬品が活用される環境とは~」をテーマにパネルディスカッションが行われました。

講演1~3の詳しい内容はこちら

 ディスカッションでは各分野における取り組みが紹介され、専門家の役割や情報提供のあり方などについて、さまざまな視点で意見交換が行われたディスカッション終了後、座長を務めた慶應義塾大学薬学部 医療薬学・社会連携センター 教授 山浦克典氏の総括をもってシンポジウムは閉幕いたしました。

パネルディスカッションの詳細はこちら

 先日、昨年度の国民医療費が発表されましたが、約47兆円と財団の設立当時から 1.4倍に増大しており、それを支える生産年齢人口は約1000万人減少しています。
社会保障制度を維持するためにも、関連団体とも連携し、セルフメディケーションの推進をさらに加速していく必要性を感じております。セルフメディケーションの更なる推進に向けては、こちらにありますように
・スイッチOTCなど、より効果の高いOTC医薬品による適用範囲の拡大        
・OTC薬の適正使用に通じた薬剤師の育成
・様々な啓発活動や専門家のサポートによる、生活者のヘルスリテラシーの向上
などが必要です。
現在スイッチOTCについては、審査の迅速化に向けて厚生労働省にワーキンググループが設置され、改善に向けた検討が行われています。 一方で、一部のOTC医薬品によるオーバードーズが社会問題になっており、OTC医薬品の適正使用のための制度や、専門家の関与に関する検討も進められています。当財団といたしましても、さまざまな研究の助成等を通じて、適正なセルフメディケーションの推進に寄与していきたいと考えております。

公益財団では、国民の健康で快適な生活の実現に向けて、様々な調査研究や啓発事業への助成を通じ、セルフケア・セルフメディケーションの定着を目指してまいります。


  • 理事長挨拶

  • シンポジウム会場の様子

  • パネルディスカッションの様子

令和6年度助成対象者一覧

調査・研究

順不同・敬称略

氏名 所属機関名 職名 研究テーマ
たち ともや
舘 知也
名古屋市立大学大学院 薬学研究科 臨床薬学分野 教授 言語・画像データ解析に基づく遠隔セルフメディケーション支援・相談の推進・最適化
そめや ゆき
染谷 由希
順天堂大学 医学部 スポーツ医学研究室 准教授 スポーツ活動中の鎮痛剤(一般用医薬品または要指導医薬品含む)の使用実態と副作用に関する認識との関連
あきよし たけし
秋好 健志
慶應義塾大学 医学部 病院薬剤学教室 准教授 フェキソフェナジンとの相互作用を引き起こす柑橘果汁中阻害成分の網羅的定量解析に基づく相互作用の推定
さかもと せいいち
坂元 政一
九州大学大学院 薬学研究院 准教授 漢方薬の適正使用とセルフメディケーションの推進-アスリートの視点から-
ふるばやし ともゆき
古林 呂之
神戸薬科大学 製剤学研究室 准教授 加齢による鼻粘膜の機能及び構造変化がもたらすOTC点鼻薬の経鼻吸収性への影響
のだ あおい
野田 あおい
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 予防医学・疫学部門 助教 妊娠可能年齢女性における抗ヒスタミン薬使用の実態と妊娠中の使用に関する安全性評価
ながしま かずき
永島 一輝
千葉大学大学院 薬学研究院 先端実践薬学講座 実務薬学研究室 助教 官能試験を用いたオーバードーズ防止のためのOTC医薬品の適切な剤型の検証
うちの とものぶ
内野 智信
静岡県立大学 薬学部 臨床薬剤学分野 講師 自転公転式造粒法による新剤形プレゲル顆粒の調製と評価
たなか あきこ
田中 晶子
神戸薬科大学 製剤学研究室 講師 がん治療時の口腔粘膜炎へのセルフメディケーション可能なヒアルロン酸シートの開発
うしお そういちろう
牛尾 聡一郎
福岡大学 薬学部 助教 インフォデミックによる一般用医薬品の情報伝播過程の解明
しょうの あいこ
庄野 あい子
昭和薬科大学 公衆衛生学研究室 准教授 薬局を活用したがんの早期発見に関する医療経済学研究
はまの ひろふみ
濱野 裕章
岡山大学 薬剤部 臨床薬剤学研究室 副部長 糖尿病予防のための個別化健康管理:産学官民連携アプローチ
なかじま りえ
中島 理恵
日本大学 薬学部 地域医療薬学研究室 専任講師 インフォデミック時に適切な健康行動を促す判断力育成型ヘルスリテラシー教育の考案
しょうじ まさき
庄司 雅紀
大阪医科薬科大学 薬学部 社会薬学・薬局管理学研究室 助教 コンコーダンスの理論に基づいた地域における薬-栄協働支援の効果 に関する研究
いのまた たけのり
猪俣 武範
順天堂大学 医学部 眼科学講座 准教授 花粉症スマホアプリによる行動変容に基づく予防・個別化医療の実現
よしだ みやこ
吉田 都
武庫川女子大学 薬学部 臨床製剤学研究室 教授 ルシフェラーゼ発現乳酸菌および近赤外発光基質を用いた嚥下動態評価システムの構築
はやかわ まさよ
早川 雅代
慶應義塾大学 薬学部 医薬品情報学講座 研究員 患者協働的アプローチによる薬局利用者から薬剤師への質問促進リストの開発
さとう いずみ
佐藤 いずみ
東京医療保健大学大学院 看護研究科母性看護学・助産学 准教授 プレコンセプションケアに関する教育プログラムの評価
啓発事業等

順不同・敬称略

氏名 所属機関名 職名 研究テーマ
あべ めぐみ
安部 恵
日本大学 薬学部 薬剤師教育センター 准教授 市販薬のオーバードーズ防止啓発教材の開発と啓発活動活性化に向けた講演会の実施
なかた まりこ
仲田 真理子
筑波大学 人間系 助教 「発達障害の当事者とまわりの人のための薬はじめてガイド」恒常設置に向けた取り組み
すずき くみこ
鈴木 久美子
筑波大学公益財団法人全日本科学技術協会 事業推進部 シニア専門職 新興感染症の感染拡大防止に向けた地域プラットフォームシンポジウム

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